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太陽光発電

太陽光発電の仕組みや周辺機器を徹底解説

太陽光発電を導入する際に、悩むのがどの種類の太陽光パネルを選ぶかです。

太陽光パネルは、太陽光を集めて電気に変換する装置であり、国内外のメーカーが多種多様な種類を生産しています。

それぞれに異なる特徴がありますので、正しい知識を持って選択することが重要です。

そこで、今回は太陽光パネルの種類とそれぞれの特徴について、詳しく説明します。

太陽光発電とは?

「太陽光発電」とは、自然のエネルギー源である「太陽光」を利用して発電する方法のことです。

燃料を使用せずに自然のエネルギーを利用するため、発電中には二酸化炭素を排出しません。

また、発電した電力の活用方法には、自家消費や電力会社への売電、蓄電池への充電など、様々な方法があります。

最初に日本に導入された際には、住宅用として販売され、1kWあたり375万円という高額な費用が必要でした。

当初は補助金がなく、そのため普及しなかったのですが、1994年から太陽光発電の補助金制度が作られ、導入する家庭が増加していきました。

2000年以降は、生産性が向上し、コストが下がり、より導入が容易になりました。

2009年からはFIT(固定価格買取制度)が導入され、太陽光発電で発電された電力を高価格で売ることができるようになりました。

2011年に発生した東日本大震災をきっかけに、エコで災害時にも有用な太陽光発電に注目が集まり、現在まで広く普及しています。

太陽光発電における発電の仕組み

太陽光発電において、電気を生成するためには、半導体に光が当たることで発電が行われます。

この仕組みでの電気生成は、先に説明した光起電力効果によるものです。

具体的には、「N型半導体」と「P型半導体」が重ね合わされており、この接合部分に光が当たると、N型側が「-」、P型側が「+」に帯電する特性を利用しています。

この状態で電極を接続することにより、電流が流れるようになります。

太陽光発電に必要な機器

太陽光発電システムを構築する機器は、主に以下のようなものがあります。

  • 太陽光パネル
  • 接続箱
  • パワーコンディショナー
  • 分電盤

では、一つひとつ解説します。

太陽光パネル

「太陽電池モジュール」とも呼ばれる太陽光パネルは、太陽光を集めて電気を生成するために必要なパネルです。

あなたも屋根などに黒い板のようなものが取り付けられているのを見たことがあるかもしれませんが、それが太陽光パネルです。

太陽光パネルには、多数の「セル(太陽電池)」が並べられており、セルの数に応じて発電量が変わります。

接続箱

太陽光パネルで生産された電気をパワーコンディショナーに転送するための機器である接続箱は、屋外のメンテナンスが容易な場所に設置されます。

この機器には、太陽光パネルの枚数を調整することによって生じる電圧差を調整する「昇圧機能」を搭載したモデルもあります。

パワーコンディショナー

太陽光パネルから発電された電力は、直流(DC)の状態であるため、家庭で使用するためにはパワーコンディショナー(以下、パワコン)が必要です。

パワコンは、直流を交流(AC)に変換する役割を持っており、家庭で使用する電気に適した形に変換します。

また、パワコンは発電した電力を安定的に使えるように調節する機能や、停電などのトラブル時に太陽光発電を安全に止める「系統連系保護装置」などの機能を備えています。

分電盤

家庭内で使用できるように、パワコンで変換された電気を分配するための装置があります。

通常、一般家庭では分電盤がすでに設置されていますが、太陽光発電を行う場合は、専用の分電盤に交換または増設する必要があります。

太陽光発電専用の分電盤が必要な理由は、パワコンと接続するための回路や、余剰電力を電力会社に売るための「逆送電機能」などが装備されているからです。

太陽光パネルの種類

太陽光パネルには、主に「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類があります。

中でも、住宅用途に最も適しているのは発電効率に優れたシリコン系パネルであり、次に高温時の出力ロスを抑えた化合物系が用いられます。

有機系についてはまだ実用化されておらず、住宅用途には使用されていません。

ここでは、「シリコン系」及び「化合物系」の太陽光パネルについて解説します。

シリコン系の種類と特徴

住宅用のシリコン系ソーラーパネルは、主に以下の4種類に分類されます。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

単結晶シリコン

最初に開発された太陽パネルが単結晶シリコンのものでした。

単結晶は、規則正しい結晶が並んでいるため、発電ロスが少なく、高い変換効率と性能、信頼性を持っています。

ただし、高温時には効率が低下するという欠点があります。

ちなみに、製造コストは高めです。

多結晶シリコン

単結晶の端材や規格外のシリコン原料を利用して作られる太陽光パネルです。

結晶が規則正しく並んでいないため、単結晶よりも発電量が劣るというデメリットがありますが、シリコンの含有量が少なく、コストが低いことが魅力です。

そのため、多数の太陽パネルを搭載する場合に利用されます。

アモルファスシリコン

アモルファスシリコンを使って作られる太陽光パネルです。

アモルファスは特定の結晶構造を持たないため、変換効率が低く、デメリットとなりますが、薄膜状に形成することで加工性がよく、応用性が高いという特徴があります。

気温の高い日の変換効率の低下が抑えられるという利点もあります。

ヘテロ接合型(HIT)

パナソニックが製造する太陽光パネルで、異なる種類のシリコンを使用しています。

単結晶シリコンよりも高い変換効率と高温時の出力低下が少ないという特徴がありますが、製造方法が複雑でコストが高めになります。

化合物系の種類と特徴

化合物系ソーラーパネル」とは、シリコン以外の材料を使って作られたもので、大きく2つに分類できます。

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

CIS/CIGS

CIS/CIGSです。これは、銅、インジウム、セレンを原料とする化合物半導体で作られた太陽パネルのことを指します。

これら3つの元素にガリウムを加えたものは「CIGS」と呼ばれ、シリコン系のソーラーパネルと比較して製造コストが圧倒的に低いため、今後の市場拡大が期待されています。

CdTe

CdTeは、カドミウムとテルルを原料とした化合物半導体で作られた太陽パネルのことを指します。

効率が高く、コストパフォーマンスに優れるため、欧米では普及が進んでいますが、カドミウムが有害物質であるため、日本国内ではCdTeを製造するメーカーは存在しません。

まとめ

太陽光発電は、エコな時代にぴったりの自然エネルギーで、太陽光を利用して電気を生成することができます。電気代を節約できたり、停電時に役立つなど、多くのメリットがあります。

一方、デメリットもありますが、現在はそれらに対する解決策があるため、導入は比較的容易です。

今後、研究開発が進むことで、よりコストパフォーマンスの高い太陽光発電が可能になるかもしれません。