蓄電池は全ての家庭に適しているわけではありません。
自分の家の環境に合わせて、蓄電池を設置するかどうかを検討し、そのメリットとデメリットを正確に理解する必要があります。
さもないと、高額な蓄電池を購入しても、あまりメリットを享受できない可能性があります。
この記事を読み進めることで、蓄電池のメリットとデメリットについて理解することができ、自分の家に蓄電池が適しているかどうかを判断することができます。
蓄電池を購入する際には、自分にとって適切な選択をするために必要な情報を入手し、正しい決定をするよう心がけましょう。
Contents
蓄電池とは?
庭用蓄電池とは、太陽光パネルや電力会社から購入した電気を貯めたり使用したりすることができる充電池のことです。
現在、家庭用蓄電池は災害時のバックアップ電源だけでなく、住宅のゼロエネルギー化を目指す上で重要な電源装置として認知されています。
実際、世界の蓄電池市場は2025年には2,407億円規模になるとの見方もあり、市場規模は2015年と比較して5倍に膨らむとの予測もあるのです。
特に日本では、FIT制度の買取期間終了により、多くの方が蓄電池の導入によって自家消費にシフトすることが期待されています。
新たに太陽光発電を設置する家庭も蓄電池を合わせて導入する傾向にあり、日本においても家庭用蓄電池の需要は増加しています。
蓄電池のデメリット
まずは、蓄電池のデメリットについて解説します。
蓄えられる電力に制限がある
蓄電池の容量によって、貯蔵できる電力量が異なります。
購入した蓄電池の最大容量が、自宅で使用する電力を満たしていない場合、頻繁な充電が必要になり、蓄電池の寿命が短くなる可能性があるのです。
容量が多いほど価格も高くなりますが、容量が小さいものを選んでしまうと、想定よりも早く寿命を迎えるかもしれません。
自宅の需要に合った容量の蓄電池を選ぶことで、容量不足に悩まされることがなくなります。
そのため、価格だけでなく、容量にも注意を払いましょう。
スペースが必要
家庭用蓄電池を設置するには、屋外または屋内に十分なスペースを確保する必要があります。
一般的な目安としては、「エアコンの室外機より少し小さい」くらいのサイズです。
スペースを確保するためには、事前に計画を立てておく必要があるでしょう。
さらに、蓄電池を設置する場所には、直射日光が当たらない、高温や低温になりすぎない、重塩害地域でないなどの条件があります。
屋内型の場合は、機器から多少の音が発生するため、ベッドルームなど静かに過ごしたい部屋に設置するのは避けた方が良いでしょう。
太陽光パネルより寿命が短い
蓄電池は使い捨ての電池とは異なり、繰り返し使用できますが、無限に使用できるわけではありません。
電気を貯める「充電」と、電気を使う「放電」を繰り返すことで、徐々に劣化し、充放電サイクルの回数が保証されている回数を超えると、蓄電容量が減少し、電気を貯めることができる量が減ります。
現在、家庭用蓄電池の主流であるリチウムイオン電池の寿命は、10年~15年程度とされていますが、費用対効果を考慮すると、保証された回数が多い方が望ましいです。
蓄電池を選ぶ際には、寿命がどの程度あるのかを確認することが重要です。
ただし、蓄電池が寿命を迎えた後でも、すぐに使用できなくなるわけではありません。スマートフォンやパソコンのバッテリーと同様に、充放電を繰り返すことで徐々に蓄電容量が減少していきます。
価格が高い
2022年度の補助金要件によると、家庭用蓄電池の価格は1kWhあたり約15.5万円以下とされ、補助金は1kWhあたり3.7万円です。
例えば、7.2kWhの蓄電池を導入する場合、補助金を適用した価格は約85万円になります。
ただし、この価格は太陽光発電システムとの合わせ買いをしない場合のものであり、両方を導入する場合は高額になる可能性があります。
2022年において、住宅用の10kWh蓄電池を導入する場合、最大で37万円まで補助金が出るとされています。
2023年度には新しい補助金の内容が発表される見通しです。
蓄電池のメリット
では、次に蓄電池のメリットを紹介します。
メリット・デメリットをよく比較して、導入の検討をしましょう。
太陽光発電と相性が良い
蓄電池だから当たり前の話ではありますが、やはりこれがまずは一番最初のメリットです。
太陽光発電システムは発電することはできますが、電気を貯めることができません。
ですから、発電した電気を昼間自宅で使うか、余った電気は売電する以外の方法がありませんでした。
しかし蓄電池を併用することにより、電気を貯めることができるようになります。
停電時にも安心
近年、日本各地で発生した地震や台風などの予測不能な自然災害により、防災意識が非常に高まっています。
蓄電池は、貯蔵された電気を使用することができるため、安心感があります。
特に、小さなお子様やお年寄り、病気を抱えた方がいらっしゃるご家庭では、電気は重要なライフラインとなります。蓄電池は、もしもの時にしっかりと備えることができるでしょう。
製品によって異なりますが、停電時に使用したい家電製品を事前に設定することができる製品や、太陽光発電や蓄電池からの電力供給を12〜24時間連続で使用できる製品があります。
また、日中には太陽光発電から余剰の電力があれば、蓄電池に充電することもできる製品もあり、より安心です。
環境に配慮した生活ができる
蓄電池を利用することで、深夜の使用量が少ない時間帯に電力を貯めておき、昼間の使用量が多い時間帯に電力を利用することができます。
これにより、最も需要が高い昼間の時間帯の電力使用量を減らすことができ、火力発電所によるCO2排出量の削減にもつながり、地球温暖化などの環境問題にも取り組めるでしょう。
夜間の安い電気料金を利用できる
一般的に蓄電池を導入すると、電力会社と契約して安い深夜料金プランに切り替えることが一般的です。
さらに、太陽光発電で発電した電力を夜間に使用するだけでなく、安い深夜電力を貯めておいて、太陽光発電が動き出す前の朝の時間帯にも利用することができます。
これにより、経済的メリットも得ることができるでしょう。
どんな家庭に蓄電池はオススメ?
蓄電池を導入することをおすすめするのは、以下のような方々です。
太陽光発電を設置している人
太陽光発電は自家発電できるというメリットがありますが、夜間には発電できません。
しかし、蓄電池を導入すると、普段の生活で必要な電力を自家発電で賄い、電力会社からの電力購入が不要になります。
このため、卒FIT後に蓄電池を導入し、これまで売電していた電力を自家消費する人が増えています。
毎月の電気代が高い人と感じている人
蓄電池を導入すると、深夜電力を貯め、昼間に使用することで、電気料金を節約できます。
電力使用量が同じでも、昼間と夜間の電気料金の差額を利用することで、電気代を安く抑えることができるでしょう。
災害時に備えたい人
蓄電池があれば、停電時にも照明、冷蔵庫、スマートフォンなどを使用できます。
災害に備えて蓄電池を導入し、電力使用が必要な場合でも使用できる環境を整えることがオススメです。
蓄電池には容量、機能、サイズなどの種類が多くあります。
家族構成や部屋数、ライフスタイルに合った蓄電池を選ばないと、失敗する可能性があるので要注意です。
まとめ
蓄電池は全ての家庭に適しているわけではありません。
自分の家の環境に合わせて、蓄電池を設置するかどうかを検討し、そのメリットとデメリットを正確に理解する必要があります。
さもないと、高額な蓄電池を購入しても、あまりメリットを享受できない可能性があります。
本記事を参考に、自分の家に蓄電池が適しているかどうかを判断するようにしましょう。